戻る

             

             眉  山  連  歌  会



第三回眉山連歌会
平成二十年七月九日
半歌仙連歌「蛍狩り」の巻
   於 ホテルサンシャイン徳島アネックス


発句   くらがりやそれが御縁の蛍狩り(睦)

脇      飲んでるビールは違う銘柄(孝義)

第三   健さんは渋い顔してうつむいて(修三)

四句     店のラジオの巨人阪神(雪子)

五句   振り向けば火の見櫓に望の月(修三)

六句     足音誰か虫の声止む(正博)


初句   薄原鞍馬天狗はここにあり(冬扇)

二句     二画面で視る不倫のドラマ(睦)

三句   最後まで見なくて分かる私たち(豊)

四句     夜が明ければただの旅人(睦)

五句   行く手には砂漠の果てにまた砂漠(修三)

六句     記念写真は鳥取砂丘(みゆき)

七句   梅雨明けの青き美空に昼の月(尚重)

八句     パンプスの音響くビル街(雪子)

九句   ダンボールの家をたたんでひなたぼこ(冬扇)

十句     思い出語る人生の春(睦)

十一句  この世なる皆等しくて花吹雪(修三)

挙句     明日(あした)は明日今日は今日なり(晴行)

句上
高城修三(宗匠・4) 神田睦(4) 武藤雪子(2) 西池冬扇(2) 松本隆義(1) 寺田正博(1) 桂豊(1) 土方みゆき(1) 井下尚重(1) 中瀬晴行(1) 長尾哲見(世話人) 長尾美子 寺田喜美子 松下雄介 池田孝平 岡川正夫 山下博之 櫻山卓 松田弘子 小川泰宏 長田伸介 吉兼秀治 大草洋美(執筆)  森口啓子 櫻谷和代

四月に続き、夏の徳島ひょうたん島を前にしたホテルサンシャイン徳島アネックスにて、京都や香川からの参加者もあって25名の方々で半歌仙を巻きました。まだ三度目にもかかわらず、人生の有為転変、虚構かと思えば現実の、変化に富んだ一巻となりました。

 

 

第二回眉山連歌会
平成二十年四月八日
表十句「花散るも」の巻
   於 ホテルサンシャイン徳島アネックス


発句   花散るも我はつぼみぞ卆寿前(義次)

脇      風はうららか四国三郎(冬扇)

脇    転任でさよなら言わず去りゆきて(睦)

四句    飲み屋のつけの厚き封筒(冬扇)

五句  今日もまたあの娘求めて街歩く(俊雄)

六句    赤いサラファン君に捧げん(菊世)

七句  月凍てる革命前の静けさよ(裕子)

八句    遠いふるさと想いめぐらす(まり子)

九句  懐かしき桜の下の友の顔(晴之)

挙句    つくしつくだに笑みですすめる(睦)


眉山や城山の桜が散り初めようとする四月八日、発起人長尾哲見氏のおかげをもちまして、来賓の徳島県副知事里見光一郎氏、徳島ペンクラブ会長山下博之氏をはじめとする徳島の文化関係者や政財界の方々、また京都・高松から駆けつけてくださった方々も含めて67名もの楽しい連歌の集いとなりました。今回は表十句に挑戦いたしました。前日、徳島の方々に深く敬愛されていた「よしこの」の名手おこいさん(100歳)が逝去されたことを踏まえて、卆寿を前にした木村義次氏から発句いただきました。多彩な経歴をもつ方々の集いは「異質のものを出会わせる装置」としての連歌の可能性をあらためて教えてくれました。


回眉山連歌会
平成十七年九月十六日
表六句「秋風や」の巻
   於 ホテルサンシャイン徳島アネックス


発句  秋風や寄せ来る波のほなけんど(英昭)

脇     鳴門海峡いまは大潮(一文)

第三  きぬぎぬの別れの窓に月冴えて(愛子)

四句    もう帰らないまだ帰れない(豊)

五句  黒髪を手ぐしで束ね魂もえし(トヨ子)

挙句    ゆくえ定めぬ花筏かな(睦)


徳島ペンクラブ、県会副議長長尾哲見氏後援会のみなさまなど44名の方々にお集まりいただき、表六句を巻きました。ほとんどの方が連歌は初めてながら、鳴門の渦潮からたちまち熱い恋の世界に分け入り、互いに寄り添う花筏となって、連歌の魅力に酔いしれました。