建仁寺禅居庵連歌会
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平成二十五年七月二十日
半歌仙「いのししも」の巻
  於 建仁寺禅居庵


発句    いのししもちち吸いたしや夏の寺(晴一)
脇       のみどの海に愛満ちる時(真理子)
第三    桐一葉大地へゆると散り行きて(純子)
四句     初霜踏んであづま人来る(建夫)
五句    怨霊の出処もなし望の月(登志子)
六句     九尾のきつねひま持て余す(莞爾)

初句    日の本の信太の杜につのる恋(善帆)
二句      ゆくえ定めぬ明日に紅ひく(貴代美)
三句    船渡御の君の勇姿に惚れぬいて(清實)
四句      いずれも同じミーちゃんハーちゃん(正雄)
五句    死ね殺せ行きつく果ての灰ヶ峰(修三)
六句      小石が三つただそこにある(朝子)
七句    見上ぐれば世界遺産に冬の月(浩)
八句      欧亜のはざまどこかなつかし(山田順子)
九句    ミツコ説くEU理念と香水と(建夫)
十句      耳痛きこと通りすぎ行く(雄三)
十一句  我わすれまず酒飲んで花吹雪(重彦)
挙句      祇園そぞろに春の夕暮れ(満里子)

句上  北山晴一(客・1) 藤本真理子(1) 嶋岡純子(1) 村上建夫(2) 高木登志子(1) 黒住莞爾(1) 小林善帆(1) 城貴代美(1) 今枝清實(1) 飛田正雄(1) 高城修三(1) 後藤朝子(1) 府川浩(1) 山田順子(1) 田中雄三(1) 本郷重彦(1) 奥山満里子(1) 石井順子 石井智子 上羽利枝 河田博光 岸本泰蔵 小堀由紀江 杉田繁治 田中友子 中條晴之 中山康子 松田弘子 山本昌子

今回の連歌会はワコールの乳房文化研究所との協賛により京都祇園の建仁寺禅居庵にて行われました。「OPPAI ART展」の開催された禅堂で、奇抜で奔放なおっぱい芸術と坪庭を間に向き合った座敷にての連歌となりました。北山晴一先生の発句は禅居庵の摩利支天堂を守護する猪と当日開催されていたOPPAI ART展を重ねた素晴らしい発句でした。これを発火点にして多彩な人々の思いがけない出会いから面白い半歌仙が仕上がりました。