今野和代「氏「小野十三郎賞」受賞奉祝連歌  戻る

令和二年十二月十七日
今野和代氏「小野十三郎賞」受賞奉祝連歌
   文音


発句   悪兄の受賞うれしや暮の酒(杉田繁治)
脇      凍天穿つ幻視の詩人(今枝清實)
第三   薄明に青ざめた馬走り来て(今野和代)
四句    還ることなき橋を渡りぬ(高城修三)
五句   ルビコンを照らす月影待ちかねつ(村上建夫)
六句    トラットリアに薫るサフラン(奥山満里子)

初句   秋恋に二十も若いアナキスト(城貴代美)
二句    軽い浮気は素知らぬ顔で(安田哲也)
三句   梅の実をひたすら洗う昼下がり(野中久美子)
四句    いつしか澄みぬ我の心も(原野久仁子)
五句   長崎に教会の鐘ひびきいて(嶋岡純子)
六句    雨上がりたる秋冷の道(前田正子)
七句   痩せ犬の影を揺らして七日月(廣瀬春雄)
八句    萩の散りしく化野の寺(浅田育代)
九句   手を合わす昔闘士も好好爺(森幸一)
十句    春朝まばゆくよみがえる時(友永和子)
十一句 花吹雪次元のあわいを埋め尽くし(小堀由紀江)
挙句    子猫はゆるり伸びをするなり(山田順子)