二〇〇六年採用句
2006年9月3日満尾 「憂い来て」の巻 |
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初表 発句 憂い来てふつと仰げば若葉かな・・・・・・・・・・・・・・・・・・弓月 脇 鴨の社は涼し水音・・・・・・・・・・・・.・・・・・・・・・・・増花 第三 天翔ける風の西より吹き抜けて・・・・・・・・・・・・・・・・・西風 四句 黄砂万丈煙るが如し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゆめ 五句 幽かなる影の向こうに春の月・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぐみ 六句 藤波甘く窓に香れり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うさこ 初裏 初句 密やかな恋成就して罪深し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・謡拙 二句 君に見られつ洗い髪梳く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・遊民 三句 遠花火音する度に身を寄せて・・・・・・・・・・・・・・・・・・謡拙 四句 ヤニの香強き父の懐・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぐみ 五句 仕送りの途絶えて霧のテムズ・・・・・・・・・・・・・・・・・・花子 六句 テロリストらが夜長の謀議・・・・・・・・・・・・・・・・・未生草 七句 煌々と月天心をゆくばかり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・遊民 八句 悲しいときは泣いてみようか・・・・・・・・・・・・・・・・・呆呆 九句 赤鼻のピエロ上手に玉に乗り・・・・・・・・・・・・・・・・・ぽぽな 十句 下天の内をまろび転びつ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・甘露 十一句 八つ目に起きればよしと花の下・・・・・・・・・・・・・・・・・麓人 十二句 百年遊ぶ蝶となる夢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・しげる 名残表 初句 強東風に雲の乱れし伊豆の海・・・・・・・・・・・・・・・・・・甘露 二句 君が好きだと初めて言った・・・・・・・・・・・・・・・・・未生草 三句 浮かれ女の掟破りは承知にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・増花 四句 河内通いのあの人の留守・・・・・・・・・・・・・・・・・・月子 五句 裏木戸を開けて招いたはぐれ猫・・・・・・・・・・・・・・・・ふ〜 六句 ぷいと往ぬればまた虫の声・・・・・・・・・・・・・・・・・呆呆 七句 敬老の日だけ長寿を愛でられ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ばば 八句 我が身照らすは月明りのみ・・・・・・・・・・・・・・・・・・うさこ 九句 春やあらぬ世はいにしえの世に・・・・・・・・・・・・・・・・・未生草 十句 シャボン玉飛ぶ五色七色・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・花子 十一句 西陣の機の音ひびく瓦屋根・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふ〜 十二句 軒を伝いて掛取りの来る・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・寒露 名残裏 初句 押入に抱えてはいるふぐと汁・・・・・・・・・・・・・・・・・・未生草 二句 馬関の海に大筒響く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・竹生 三句 水兵の戻り来るか蜆蝶 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・呆呆 四句 かげろう抜けて縄電車ゆく・・・・・・・・・・・・・・・・・・りょん 五句 ここそこに撒き散らしたる花土産・・・・・・・・・・・・・・・・・ぐみ 挙句 日出づるところ安らけくあれ・・・・・・・・・・・・・・・・・・増花
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2006年3月30日満尾 「山里に」の巻 |
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初表 発句 山里に柿の実ばかり盛りけり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・弓月 脇 薪割る音も高き秋空・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゆめ比乎 第三 いそいそと月見の宴支度して・・・・・・・・・・・・・・・・・・撫子 四句 女ひとりのマンション住まい・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふ〜 五句 いにしえの町並残す瓦屋根・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うさこ 六句 ビルマの僧が法衣なびかせ・・・・・・・・・・・・・・・・・・増花 初裏 初句 托鉢の先触れをする鶏の声・・・・・・・・・・・・・・・・・・・竹生 二句 鏡に向かい濃い紅をひく・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぽぽな 三句 さよならとメール届いた冬の夜・・・・・・・・・・・・・・・・未生草 四句 コンビニの灯の妙に眩しく・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・西風 五句 何代も続く老舗に閑古鳥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぐみ 六句 今年も変えぬ祭の祝儀・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・未生草 七句 月光に浮かぶ二つの鬼の面・・・・・・・・・・・・・・・・・・・花子 八句 女御更衣の戯れ果てて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うさこ 九句 散る花に盃交わす武者ありき・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゆめ 十句 雪融け水に瀬音かしまし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・竹生 十一句 峰はるか霞の暇のひとつ道・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うさこ 十二句 桃源郷へと標識にあり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ひろこ 名残表 初句 萌え萌えのメイドほほえむ秋葉原・・・・・・・・・・・・・・・・ぐみ 二句 バーチャルの恋削除しようか・・・・・・・・・・・・・・・・・花子 三句 好きだよと薔薇百本が届けられ・・・・・・・・・・・・・・・おだまき 四句 コーヒーの香に目覚めたる朝・・・・・・・・・・・・・・・・りょん 五句 食卓に三島自決の写真あり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・未生草 六句 箱階段をのぼる黒猫・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・増花 七句 鈴の音の消えて蘆火の燃え盛る・・・・・・・・・・・・・・・花子 八句 夜長に筆を走らせる尼・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・かすみ 九句 満月の光飲み干す杉木立・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・竹生 十句 千年の時重く澱みて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・呆呆 十一句 少年は口を結んで家を出る・・・・・・・・・・・・・・・・・ゆめ比乎 十二句 飛行機雲のまっすぐな線・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・りゅう 名残裏 初句 クラクション木霊のごとき摩天楼・・・・・・・・・・・・・・・ぽぽな 二句 金曜日にはドレスシャツ着て・・・・・・・・・・・・・・・・・・月子 三句 踊り狂う仮面の下は骨ばかり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・竹生 四句 野にも山にもゆらり陽炎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・西風 五句 飛花落花来し方めくるめくように・・・・・・・・・・・・・・・・りょん 挙句 今巣立ちゆく君に幸あれ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぐみ
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二〇〇五年採用句
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初表
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初表
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二〇〇四年採用句
2004年9月30日満尾 「すべてよし」の巻su |
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2004年5月27日満尾 「娘いぬ」の巻 |
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初表 発句 娘いぬ桃の節句の部屋寒し・・・・・・・・・・・・・・・弓月 脇 初蝶二つ庭の日溜まり・・・・・・・・・・・・・・・未生草 第三 ゆったりと顔洗う猫ふり向きて・・・・・・・・・・・・・・月子 四句 坂を下り行く物売りの声・・・・・・・・・・・・・・・・西風 五句 毒消しの肩荷重たき宵の月・・・・・・・・・・・・・・・・弥風 六句 明日はままよと柿を頬張る・・・・・・・・・・・・・・謡拙 初裏 初句 知らぬ間に女棲みつく四畳半・・・・・・・・・・・・・未生草 二句 戸口にかかる恋ふみ代書・・・・・・・・・・・・・・・弥風 三句 片言の I love you を繰り返す・・・・・・・・・・・・・ぽぽな 四句 松陰ひそかに英語習いて・・・・・・・・・・・・・・・謡拙 五句 虎落笛激しき真夜の城下町・・・・・・・・・・・・・・・・ぽぽな 六句 ボクサー独り参道を登る・・・・・・・・・・・・・・・・月子 七句 盲しいても夢捨てきれぬ朧月・・・・・・・・・・・・・・未生草 八句 薔薇の香りに杖引き留むる・・・・・・・・・・・・・・竹生 九句 振り仰ぐ乙女は髪へ手櫛して・・・・・・・・・・・・・・・・鶯声 十句 鏡に映す無限の彼方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・西風 十一句 花吹雪カインの研ぎし斧の上・・・・・・・・・・・・・・・・・花子 十二句 蜜を抱える一匹の蜂・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぽぽな 名残表 初句 色変わるシャボンの玉を追いかけて・・・・・・・・・・・・弥風 二句 潮目きらめく夕凪の海・・・・・・・・・・・・・・・・・ぽぽな 三句 やすかれと大吊橋より灰をまく・・・・・・・・・・・・・・・・弥風 四句 置いてゆけぬが口癖の妻・・・・・・・・・・・・・・未生草 五句 稲光浮かぶ黄瀬戸に紅のあと・・・・・・・・・・・・・・・・花子 六句 わかれを惜しむ乱菊の亭・・・・・・・・・・・・・・・・夢仙 七句 たわむれが障子に映えて月明かし・・・・・・・・・・・・鶯声 八句 虎徹その手に息を潜めて・・・・・・・・・・・・・・・ぽぽな 九句 お宝の鑑定結果は三万円・・・・・・・・・・・・・・・・未生草 十句 過ぎ行く雲を一人眺むる・・・・・・・・・・・・・・・・うさこ 十一句 かくれんぼ捜しつかれた鬼がいる・・・・・・・・・・・・・花子 十二句 夕餉の膳に父は欠けたり・・・・・・・・・・・・・・・・・鶯声 名残裏 初句 婚礼を明日に控えて声弾む・・・・・・・・・・・・・・・黒歌鳥 二句 この部屋もまた捨てていく過去・・・・・・・・・・多衣 三句 サイレンの音の近づく裏通り・・・・・・・・・・・・・・・ぽぽな 四句 急ぎ抜ければ春の陽だまり・・・・・・・・・・・・・・月子 五句 花ひとひらひとひらしんと散るばかり・・・・・・・・・・・花子 挙句 弥勒の指の細き仕草よ・・・・・・・・・・・・・・・・黒歌鳥
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2004年2月14日満尾 「是非もなく」の巻 |
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二〇〇三年採用句
2003年9月28日満尾 「ほととぎす」の巻 |
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初表
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2003年4月17日満尾 「金なくて」の巻 |
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初の折
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二〇〇二年採用句
2002月10月満尾 「あでやかに」の巻 |
初の折 |