松尾大社奉納連歌会

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平成二十一年五月三十一日

半歌仙連歌「御幌を」の巻

    於 松尾大社


発句   御幌(みとばり)をゆらしてすぐる若葉風(一洌)

脇      まぶたなき巳の夢の悲しさ(真理子)

第三  これはこれ我は我よと出しゃばりて(修三)

四句    地響きならす北の将軍(浩)

五句  敷島の山河守らん白き月(春雄)

六句    表裏して桐一葉ゆく(純子)


初句   抱一の屏風の中に秋の風(万貴子)

二句     家の宝は嘘か真か(登志子)

三句   寄り添いて注いで注がれてまた注いで(純子)

四句     嫁ぐ娘の仕草色めく(一洌

五句   我妻と似たるうなじの艶ぼくろ(俊平)

六句     黒蜜かけて蜜豆の八つ(真理子)

七句   山笠を遠く見下ろす昼の月(雪子)

八句     川筋者の丁半ばくち(隆三)

九句   その影を映してゆれる背の柳(青隴)

十句     古都の甍も春にほほえむ(春雄)

十一句  幻か松尾の山の花吹雪(修三)

挙句     受けてぞ汲まん神の御酒(青隴)


句上  佐古一洌(客・2) 藤本真理子(2) 高城修三(宗匠・2) 府川浩(1) 廣瀬春雄(2) 嶋岡純子     (2) 岡本万貴子(1) 高木登志子(2) 竹本俊平(執筆・1) 武藤雪子(世話人・1) 細尾隆三     (1)廣青隴(朗詠・2) 阿部登美子 池田弘子 石井順子 奥山満里子(清書) 栗田冨貴子       榊原雅晴 杉田繁治 松田弘子 

すがすがしい初夏の風が薫る中、祭殿にて御祈祷を受けた後、松尾大社瑞祥殿に宮司佐古一洌様をお迎えして奉納連歌会を興行しました。発句の御幌(みとばり)は、神社の楼門に掛けられた幕をさしています。東京のむらさき連歌会やさぬき連歌会、月待ち連歌会からの御参加もあり、酒の神さまでもあられる松尾の神さまの御酒をいただきながらの楽しい連歌会となりました。宗匠講評のあと、廣青隴氏の朗詠をいただきました。その後、場所を嵐山に移してなごやかな懇親会となりました。

松尾大社本殿

        瑞祥殿での会席風景