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大江戸連歌会

  令和五年五月二一日
  半歌仙連歌「武士の」の巻(後藤伸雄氏追善連歌)
    於 清澄庭園涼亭
 表
 発句   武士の誇りを永遠に花菖蒲(洋々)
 脇      後楽園の夏日なつかし(修三)
 第三   寺山の五月の空を切り取って(こん)
 四句    錦江湾に高き噴煙(壊殻)
 五句   有明に芋焼酎の良か旨か(純子)
 六句    特攻隊の最後の酒宴(こん)
 裏
 初句   行く雲にさよならと言う十九歳(伸子)
 二句    お前はアホかおれは馬鹿だよ(修三) 
 三句   死を賭けた人気役者の恋の末(一夫)
 四句    ちぎる道行この世のなごり(奈緒美)
 五句   フラメンコカスタネットの晴れ晴れと(伸子)
 六句    知るや知らぬやグラナダの月(朝子)
 七句   深川で与太話する秋の暮れ(一夫)
 八句    どぶろく一升其角嵐雪(壊殻)
 九句   何にせよ全てこの世は金次第(修三)
 十句    すっからかんの春泥まぶし(こん)
 十一句  花吹雪見せてあげたしぜレンスキー(一夫)
 挙句    日長に人の集いてうれし(順子)

 句上 岡崎洋々(客・1) 高城修三(宗匠・3) 今野和代(3) 豊澤壊殻( 世話人・2) 嶋岡純子(1) 鍋倉伸子(2) 大石一夫(3) 井下奈緒美(1 ) 後藤朝子(1) 山田順子(執筆・1) 松岡千佳 福田新一 池田孝平  鈴池るり乎 山下民子 

 今回の大江戸連歌会は平成二十五年六月二十三日に小石川後楽園涵徳亭における大江戸連歌会において発句を詠まれた後藤伸雄氏の追善連歌として興行いたしました。旧三菱別邸の清澄庭園涼亭にてさわやかな好天に恵まれた楽しい連歌会になりました。

 






  令和元年六月一五日
  半世吉連歌「夏祭り」の巻(鈴木一男氏追善連歌)
    於 法曹会館

 表
 発句   夏祭り雨が清める神輿かな(伯行)
 脇      あじさいの聴く浅草の鐘(洋々)
 第三   あちこちにさわの悲しみ忘れはて(修三)
 四句     老いも若きも今を楽しく(利枝)
 五句   月の下ライブどよめくスタジアム(壊殻)
 六句     クイーンの秋の虹のかけはし(真理子)
 七句   霧深きロンドン塔に馬車の行く(登志子)
 八句     ガイドブックを片手に持って(みさ子)
 裏
 初句   波しずか春昼午刻逗子の旅(るり乎)
 二句     恋の恨みを聞くさくら貝(貴代美)
 三句   そりゃだめよ彼の思いは蜃気楼(峻坊)
 四句     訪米訪中行ったり来たり(芝女)
 五句   今日もまた総理大臣憂いたり(修三)
 六句     やや寒き身に桑の耳かき(貴代美)
 七句   美しき人のたたずむ望の月(豊子)
 八句     ひそやかに鳴く草むらの虫(伸子)
 九句   縁側でする綾取りのはしごかけ(貴代美)
 十句     知らんぷりして猫あくびする(利枝)
 十一句  テロップのホルムズ海峡吸着弾(壊殻)
 十二句    ビールの栓をおもむろに抜く(新一)
 十三句  こら社長花見の席は無礼講(さなみ)
 挙句     はるかなる富士残り雪あり

 句上  花房伯行(客・1) 岡崎洋々(世話人・1)  高城修三(宗匠・2)
 上羽利枝(2) 豊澤壊殻(世話人代表・2) 藤本真理子(1) 高木登志
 子(1) 市木みさ子(1) 鈴池るり乎(1) 城貴代美(3) 神埼峻坊(世話
 人・1)  和田芝女(世話人・1) 宮田豊子(1) 鍋倉伸子(1) 福田新一
 (1) 有賀さなみ (1) 山田順子(執筆・1) 長尾らいむ(世話人) 中川
 るみ子 山本はるみ

 今回の大江戸連歌会は先月急病のため逝去された鈴木一男氏の追善
 連歌会として興行いたしました。発句は生前親しかった花房伯行氏にお
 願いいたしました。




  平成三十年六月十六日
  半世吉連歌「大江戸の」の巻
    於 皇居前法曹会館

 表
 発句    大江戸の風をまとうや夏衣(貴代美)                
 脇     輝くごときかきつばた白(洋々)
 第三    八つ橋をめぐる男のひとりいて(貴代美)
 四句   どちらが本家ともに譲らず(伯行)
 五句    皆が知るもとは同じと後の月(和夫)
 六句   讃岐のうどんきのこのパスタ(芝女)
 七句    時は秋B級グルメのグランプリ(壊殻)
 八句   家族そろってねじり鉢巻(みさ子)
 裏    
 初句   雪の朝天神様に願かけて(修三)
 二句    激しき人の足の冷たさ(伸子)
 三句   浅き川渡り終えたる恋の闇(修三)
 四句    とかくこの世は不倫はびこる(貴代美)
 五句   書棚には大杉栄伊藤野枝(伸子)
 六句    軍靴の響き遠くに聞きて(洋子)
 七句   馬の背をやさしくなでて望の月(壊殻)
 八句    秋の中山越ゆる連歌師(修三)
 九句   遠江芭蕉の句碑の苔むして(はるみ)
 十句    雨が降る降る昨日も今日も(るり子)
 十一句 明日こそは宿を出ようと思い立つ(利枝)
 十二句   カジノで勝って世間に負けて(らいむ)
 十三句 今宵またうしろ姿の花吹雪(新一)
 挙句    だれに委ねんこの春の幸(順子)
                 
 句上 城貴代美(客・3) 岡崎洋々(世話人・1) 花房伯行(1) 大石一夫
(1) 和田芝女(1) 豊澤壊殻(世話人・2) 市木みさ子(1) 高城修三(宗
匠・3) 鍋倉伸子(2) 渡部洋子(1) 山本はるみ(1) 鈴池るり子(1) 上
羽利枝(1) 長尾らいむ(1) 福田新一(1) 山田順子(執筆・1) 

今回の大江戸連歌会は前回につづき皇居前の法曹会館で行れました。




  
  平成二十九年六月十八日
  半世吉連歌「梅雨ぐもり」の巻
     於  皇居前法曹会館

 表  
 発句   梅雨ぐもり桜田門の閑かなり(孝平)                 
 脇      涼風わたる大内の森(登志子)
 第三   過激派も有象無象もみな老いて(修三)
 四句     孫は六人曾孫八人(壊殻)
 五句   月の夜見初めた人と所帯持ち(幹三)
 六句     ボジョレー飲ませ裏切りホテル(らいむ)
 七句   お茶の水路地の奥にも秋深し(みさ子)
 八句     片目の猫がよぎって行った(こん)
 裏
 初句   とじこもり山月記読む眼の疲れ(伸子)
 二句     聞こえて来るは三味線の音(利枝)
 三句   尊王の志士が集いて牡丹鍋(幹三)
 四句     すり足でくる回天のとき(豊子)
 五句   国産の横綱とうとう現れる(利枝)
 六句     サスペンスドラマ閑散として(登志子)
 七句   断崖で犯人が泣く後の月(一夫)
 八句     金に目くらみ秋ツバメの巣(丘蝶)
 九句   満を持しコンテストに出す野心作(幹三)
 十句     何はさておき水玉模様(順子)
 十一句 春の海臨みて何も言わぬまま(洋々)
 十二句   宮城道雄の琴の音おぼろ(ゆきその)
 十三句 名にし負う栗林公園花うたげ(芝女)
 挙句    紫雲の山にかすみたなびく(はるみ)

 句上  池田孝平(客・1) 高木登志子(2) 高城修三(宗匠・1) 豊澤
 壊殻(世話人・1) 中野幹三(3) 長尾らいむ(1) 市木みさ子(1) 今
 野 和代(1) 鍋倉伸子(1) 上羽利枝(2) 宮田豊子(1) 大石一夫
 (1) 松田丘蝶(1) 山田順子(執筆・1) 岡崎洋々(世話人・1) 吉村
 ゆきその(1) 和田芝女(1) 山本はるみ(1) 熱田和子 鈴池典子 
 花房伯行 鈴木一男 福田新一 阿部とみ子 渡部洋子 

 今回の大江戸連歌会は皇居桜田門に近い法曹会館にて興行いたしま
 した。二十五名の多数の蓮衆が集まったことから句数を増やして半世
 吉連歌とあいなりました。漂流連歌会、讃岐連歌会、吉田山連歌会、む
 らさき連歌会、KOBEみなと連歌会など関西の連歌会からそれぞれ五名
 の 出席があったことから連歌会ごとの句数を競った結果、関西勢が六
 句を採用となり一位となりました。

 
 
 





  平成二十八年十月二十九日
  半歌仙連歌「いずこにか」の巻
    於 東京さぬき倶楽部

 表
 発句   いずこにかメガロポリスの向かう秋(幹三)             
 脇      カボチャの笑う仮装行列(壊殻)
 第三   新月の麻布にゾンビ現れて(欣女)
 四句     今夜は元気パイナッポーペン(洋々)
 五句   スマホ手に浪速女のかしましき(伯行)
 六句     豪栄道は男でござる(一夫)
 裏
 初句   どじょう鍋一緒につつく恋の朝(欣女)
 二句     黄色太陽閨にさしこむ(幹三)
 三句   そっと起き念入り化粧ほどこせり(らいむ)
 四句     外国籍の豪華客船(伸子)
 五句   満ち潮にレインボーブリッジくぐりかね(壊殻)
 六句    ビーチバレーの声の賑やか(一男)
 七句   観衆も選手も照らす望の月(芝女)
 八句    日本シリーズ延長十回(順子)
 九句   どぶろくを持ち出してきてうさばらし(壊殻)
 十句    琵琶湖疎水の春の夕暮れ(修三)
 十一句  哲学を語る学徒に花筏(幹三)
 挙句    天上天下うららかなりき(みさ子)

 句上 中野幹三(客・3) 豊澤壊殻(世話人・3) 松田欣女(2) 岡崎
洋々(世話人・1) 花房伯行(1) 大石一夫(1) 長尾らいむ(1) 鍋倉
伸子(1) 和田芝女(1) 鈴木一男(1) 山田順子(執筆・1) 高城修三
(宗匠・1) 市木みさ子(1) 

今回は久しぶりに本拠地の東京さぬき倶楽部での興行となりました。漂流
連歌会の女性陣の活躍が目立ちました。






  平成二十七年九月十九日
  半歌仙連歌「木犀や」の巻
    於 国際文化会館

 表
 発句   木犀や誘い誘われ植治庭(伯行)             
 脇      見上ぐれば秋江戸屋敷跡(洋々)
 第三   友三人スーパームーンを待ちわびて(修三)
 四句     レートの高い麻雀狂い(壊殻)
 五句   すっきりと朝には朝の顔になり(みさ子)
 六句     お詫び稼業の背筋のお灸(真理子)
 裏
 初句   捨てがたし古女房の白き肌(一夫)
 二句     ファーストキッスは雪の降る夜(はるみ)
 三句   どろどろの恋になるとは知らざりき(らいむ)
 四句     焼き場の釜の灰になるまで(一夫)
 五句   蕣や連歌を好む裁判官(伸子)
 六句    僻連抄を読みふける秋(修三)
 七句   森のビル冴えわたりたる望の月(峻坊)
 八句    今日も終電待つ人もなし(利枝)
 九句   徒歩で行く花満開の隅田川(壊殻)
 十句    春のうららの屋形船かな(洋子)
 十一句  揚げ雲雀塔より低き声聞こゆ(一男)
 挙句    大和路は明日もすこやか(順子)

  句上 花房伯行(客・1) 岡崎洋(世話人・1) 高城修三(宗匠・2)
豊澤壊殻(2) 市木みさ子(1) 藤本真理子(1) 大石一夫(2) 山本
はるみ(1) 長尾らいむ(1) 鍋倉伸子(1) 神崎峻坊(1) 上羽利枝
(1) 渡部洋子(1) 鈴木一男(1) 山田順子(執筆・1) 阿部登美子
和田芝女 池田孝平 

もと多度津藩の江戸屋敷跡で第七代目小川治兵衛の庭が残る国際文
化会館で楽しい連歌会となりました。 






  平成二十六年九月六日
  半歌仙連歌「おなご寺」の巻
    於 鎌倉東慶寺

 表
 発句   おなご寺三年は早し萩の坂(建夫)          
 脇      色なき風に捨つる思い出(米輝子)
 第三   雨後の月ぼんやり海の上にいて(幹三)
 四句     ひたすら駆けるたけき白蓮(一夫)
 五句   行く先は地獄極楽冬宴(洋々)
 六句     宵越しの金六文残す(建夫)
 裏   
 初句   ごらんあれ死に狂いする真田丸(峻坊)
 二句     鳴り物入りで主役登場(芝女)
 三句   君と見た第三の男今一度(六条)
 四句     ウィーンの恋は緑あざやか(孝信)
 五句   抱き寄せてワルツを踊る昼下がり(幹三)
 六句     金木犀の匂いふくよか(修三)
 七句   絶対無西田の墓に望の月(幹三)
 八句     聞けよとばかりすだく虫の音(利枝)
 九句   女子会は昔話にもりあがり(順子)
 十句     吉兆の膳にも手をつけず(修三)
 十一句  春の午後ただ一面の花吹雪(光義)
 挙句     富士をいただく国のどかなり(順子)

 句上  村上建夫(客・2) 井上米輝子(1) 中野幹三(3) 大
      石一夫(1) 岡崎洋洋(世話人・1) 神崎峻坊(1) 和
      田芝女(1) 土居六条(1) 松島孝信(1) 高城修三
      (2) 上羽利枝(1) 山田順子(執筆・2) 坂田光義(1)
      頼則紗頼 田坂千十 長尾らいむ 

駆け込み寺として名高い鎌倉東慶寺の寺庭さん井上米輝子氏の
御好意により大江戸連歌会の出張興行となりました。蒸し暑い一
日ではありましたが、境内は秋の草花がさきみだれ、その奥の著
名人の墓を散策した後、はじめちょろちょろ中ぱっぱの楽しい連歌
会になりました。
 
                           



平成二十五年六月二十三日
半歌仙連歌「ほこらしく」の巻
  於 小石川後楽園涵徳亭

初表
発句    ほこらしく水戸藩邸の菖蒲かな(伸雄)            
脇       史書の想ねる従三位様(建夫)
第三    三毛猫が俺は知らぬとあくびして(修三)
四句      日本またぎミサイルが飛ぶ(俊坊)
五句    テレビ消しスーパームーンに祈りこめ(久子)
六句      廃炉の町に虫すだきおり(一夫)
初裏
初句    少女らが着飾りてゆく秋まつり(幹三)
二句      流し目こそは恋の捕り物(由記江)
三句    うしろ手に障子閉めたりはなれ宿(純子)
四句      熱燗くつくつさしつさされつ(芝女)
五句    気の強い東女に京男(純子)
六句      石橋山に頼朝が立つ(幹三)
七句    再びの満願期して月見上ぐ(清實)
八句      難破したるもさわやかな夜(幹三)
九句    希望もえ広場に秋やデモの波(一夫)
十句      遠い昔のこととなりけり(利枝)
十一句   よみがえる命のごとき花の色(建夫)
挙句      父母おもう春の夕暮れ(順子)

句上 後藤伸雄(客・1) 村上建夫(2) 高城修三(宗匠・1) 神崎俊
望(1) 飛田久子(1) 大石一夫(2) 中野幹三(3) 小堀由紀江(1)
嶋岡純子(2) 和田芝女(1) 今枝清實(1) 上羽利枝(1) 山田順子
(執筆・1) 後藤君代 飛田正雄 花房伯行 福田新一 坂田光義 豊
澤壊殻 松田欣女 長尾らいむ 池田孝平(世話人) 岡崎洋々(世話
人)




平成二十四年六月十六日
半歌仙連歌「ほととぎす」の巻
於 東京さぬき倶楽部

初表
発句   ほととぎす渡しの客ら頭のべ(水澄子)
脇      若葉風ふくここ隅田川(洋洋)
第三   スカイツリー朝早くからにぎわいて(利枝)
四句     凶悪犯人は人ごみの中(一夫)
五句   待ち合わす駅の真上に食の月(とみ子)
六句     血ぬれて見える鶏頭の花(伯行)
初裏
初句   伯爵は人恋しくて秋の暮れ(らいむ)
二句     帽子かかえて行きつ戻りつ(水澄子)
三句   舞踏会仮面に隠す我が思い(伯行)
四句     知るや知らぬや文の行く末(修三)
五句   被災地に火とは帰らむ雲の峰(一夫)
六句     笛や太鼓の踊りなつかし(伸雄)
七句   村はずれ地蔵にかかる片身月(利枝)
八句     虫の音もなき東京暮らし(らいむ)
九句   秋深し鏡台少し傾かせ(とみ子)
十句     濃い紅ぬって昔を想う(伯行)
十一句  花盛りさぬき小町とさわがれて(伸雄)
挙句   瀬戸内海は今日もうららか(順子)

句上  岩佐水澄子(客・2) 岡崎洋洋(世話人・1) 上羽利枝(2) 大石一夫(2) 阿部とみ子(2) 花房伯行(3) 長尾らいむ(2) 高城修三(宗匠・1) 後藤伸雄(2) 山田順子(執筆・1) 福田新一 坂原三郎 神崎峻坊 井上栄々峰 池田孝平(世話人)





平成二十三年六月十八日
半歌仙連歌「梅雨空に」の巻
   於 東京さぬき倶楽部

 初表
 発句  梅雨空に江戸の香求め集いけり(伸雄)             
 脇     可能性秘め咲くはあじさい(洋)
 第三  かたつむり葉の上ゆるりすべりいて(欣未子)
 四句    誰にも言えぬ訳のあるなり(一夫)
 五句  月明かり儀式に似たるキスをする(糸枝)
 六句    秋の良き日に乗る玉の輿(伸雄)
 初裏
 初句  目の前に群れてありけり赤まんま(一夫)
 二句    何処へ行かむ雲の流れて(みさ子)
 三句  一本の松を残して夏来る(登美子)
 四句    道を横切る裸の少年(登志子)
 五句  ちんちんはロケットみたいなかたちして(修三)
 六句    それぞれが持つ器あり(新一)
 七句  月仰ぐ旅路の果ての老夫婦(一夫)
 八句    東福寺にてもみじ見るらん(伯行)
 九句  北山に鹿の鳴く声もの悲し(俊)
 十句    赤き毛氈野立てにはえて(伯行)
 十一句 散る花のひとひら舞いて楽茶碗(順子)
 挙句    かすみたなびく隅田川べり(淑美)

 句上 後藤伸雄(客・2) 岡崎洋(世話人・1) 松田欣末子(1) 大
 石和夫(3) 関口糸枝(1) 市來みさ子(1) 阿部とみ子(1) 高木
 登志子(1) 高城修三(宗匠・1) 福田新一(1) 花房伯行(2) 神
 崎俊(1) 山田順子(執筆・1) 和田淑美(1)


会席風景


好句を出して表彰された福田氏と関口氏


東京さぬき倶楽部ロビーにて

                             

                                    




     平成二十二年七月十八日
   半歌仙連歌「ビルの間に」の巻
      於 東京さぬき倶楽部

 初表
 発句  ビルの間に雲湧きいでし夏日かな(万貴子)
 脇     伸びやかに咲くのうぜんかずら(清實)
 第三  宰相の器を語る屋台にて(由紀江)
 四句    同じ党派がけんか始める(幹三)
 五句  東国の兵が見上げる瀬戸の月(洋)
 六句    熊谷陣屋に鈴虫の鳴く(万貴子)
 初裏  
 初句  観光バス去りししじまの野分あと(豊子)
 二句    行き先問わず寄り添い歩く(順子)
 三句  ふところにどすのむ恋に細雪(幹三)
 四句    田舎芝居におひねりのとぶ(孝平)
 五句  新世界東の空のあかね雲(清實)
 六句    スロバキヤよりニューヨークへ(洋)
 七句  テロリスト乗っ取りし機の窓の月(幹三)
 八句    松茸ごはんものどを通らず(みさ子)
 九句  二十七初めての子ができる朝(修三)
 十句    照りつ曇りつ遠かすみつつ(由紀江)
 十一句 花吹雪酒にとられてちどり足(伯行)
 挙句    お江戸の春は今日も暮れ行く(利枝)

 句上 
 岡本万貴子(客・2) 今枝清實(2) 小堀由紀江(2)
 中野幹三(3) 岡崎洋(世話人・2) 宮田豊子(1) 山田 順子(執筆・1) 池田孝 平(世話人・1) 市木みさ子   (1) 高城修三(宗匠・1) 花房伯行(1) 上羽利枝(1) 渡部洋子 阿部登美子 高木登志子 田中郁子 大石一 夫 長谷川修 吉野ユリ 神崎俊 

 六年ぶりの大江戸連歌会はむらさき連歌会や神戸連歌 会のみなさまの御列席もあり、盛大な会となりました。

       会席風景

  記念写真

         写真提供 岡崎洋氏


 
     平成十六年五月十六日
   半歌仙連歌「走り梅雨」の巻
      於 東京さぬき倶楽部

 初表
 発句   大江戸の景色を覆う走り梅雨(克)
 脇      心に染みる三味青もみぢ(万)
 第三   初鰹陶器のビールに生かされて(幹)
 四句     狸の置物けだるそうに(稔)
 五句   なつかしき信楽の地を思い出す(素)
 六句     待ち受け画面に肩寄す二人(万)
 裏
 初句   裏切られ空缶蹴って横向けば(幹)
 二句     二十一世紀の恋あっけらかん(直)
 三句   日替わりか回転寿司の回るよう(万)
 四句     輪廻転生再度おまえと(稔)
 五句   八十八四国霊場同行二人(克)
 六句     祖谷の谷にも薄乱れて(稔)
 七句   月明かり落人が編むかづら橋(克)
 八句     黒揚羽一つ舞い下りてくる(弓)
 九句   事件です金田一君出動す(郁)
 十句     野辺のあぜ道つくし顔出す(孝)
 十一句  花や花花狂いして今日もまた(徹)
 挙句     さぬき大使は大いびきかく(弓)
 
 句上
 田中克(3句)   岡本万貴子(3句)  圓山稔(3句) 
 中野幹三(2句)  高城修三(弓月)(2句)
 小林素子(1句)  山本直巳(1句)    田中郁子(1句) 
 池田孝平(1句)  小林徹(1句)     河村直子
 山元澄子      関口玄子        桐谷純子
 桐谷乃宇奈    内藤哲         野間章子
 石橋直子      稲邑粋有芙       中野潤子
 渡辺郁子