楽庵茶連歌会(兼 東日本大震災哀悼連歌)                戻る


平成二十三年三月二十三日
表十句「大地震や」の巻
   於 京都祇園「楽庵」

発句  大地震(ない)や祇園の春をいかんせん(修三)
脇     萌え木たおりて黙する女将(浩平)
第三  野良犬がおびえた顔であとずさり(修三)
四句   月の川面におのれ見しかな(浩平)
五句  西行のすすきが揺れるわび住まい(笑吾)
六句   柴の戸押すは千の風の手(真理子)
七句  あの世から通いつめよと想夫恋(清實)
八句   連理の枝の朽ち果てるまで(俊平)
九句  夕暮れをそぞろ歩きの花の下(美佳)
挙句   国の行方はおぼろなりけり(三知子)

句上  高城修三(宗匠・2) 杉本浩平(2) 野村笑吾(亭主・1) 藤本真理子(1) 今枝清實(1) 竹本俊平(1)
     河合美佳(1) 滝島三知子(1) 城貴代美(執筆)

稀代の数寄者である野村笑吾氏が亭主となって祇園花見小路四条に近い「楽庵」にて茶連歌を興行された。昨年のうちから
予定されていた茶連歌であったが、おりしも東日本大地震の勃発となり、急遽、その哀悼連歌を兼ねての連歌会になった。