清風荘連歌会     戻る



平成二十九年五月二十八日
半歌仙連歌「風清く」の巻
 於 京大清風荘

初表
発句   風清くゴリラもなごむ薄暑かな(壽一)
脇      扇片手に説く桃太郎(貴代美)
第三   供を連れ鬼ヶ島まで渡り来て(政俊)
四句    双胴ヨットで連歌するなり(修三)
五句   水しぶきあびて月の座しとめたる(純子)
六句    反省会の新酒はうまし(平)
初裏
初句   山里に木の香かぐわし家を建て(水澄子)
二句    琴の名手の君を娶る日(清實)
三句   床入りの薄暗がりに頬を染め(るみ子)
四句    SPたちは耳そば立てる(浩)
五句   つぶやきで世界を動かす大統領(壽)
六句    この世はすべてババ抜きゲーム(る)
七句   寒々と虜囚の美姫の窓の月(水)
八句    城引き渡し宮様来る(建夫)
九句   しゃちほこも新しき代を寿ぎて(政)
十句    一味違う名古屋コーチン(博)
十一句  孫子供一人も欠けぬ花の宴(俊平)
挙句    春の都に光あまねし(満里子)

句上  山極壽一(客・2) 城貴代美(1) 村上政俊(2) 高城修三(宗匠・1) 嶋岡純子(1) 石平(1) 岩佐水澄子(2) 今枝清實(1) 中川るみ子(2) 府川浩(1) 村上建夫(1) 宇山博(1) 竹本俊平(世話人・1) 奥山満里子(執筆・1) 家村豊次 石井智子 杉田繁治 寺西孝史 友永和子 長谷川淳子 長谷川真由子 松岡千佳 森幸一 横山葵

前回に引き続き、山極壽一京大総長の御好意により清風荘連歌会が行われました。午前中に村上建夫氏・横山葵氏による茶事、また寺西孝史氏・村上政俊氏による謡曲の披露がありました。ゴリラの研究家でもある総長の発句から京都動物園のゴリラ桃太郎の話へと転じ、多彩な展開を見せる連歌となりました。そのあと前回と同じく百万遍近辺の居酒屋で竟宴に至りました。



平成二十五年三月三日
半歌仙連歌「何とまあ」の巻
 於 京大清風荘


初表
発句   何とまあ元勲にも似た男雛かな(雅晴)
脇      余寒に負けぬ庭の白梅(弦)
第三   若者は入試を終えて帰り来て(貞人)
四句    ケセラセラセラ猫とたわむる(こん)
五句   ドラキュラの住む館にも望の月(善帆)
六句    血止め塗られしハゼの煩悶(真理子)
初裏
初句   晩秋に君と出会いてもう十年(貴代美)
二句    ファーストキッスは糺の森で(紀美子)
三句   今思う心地よき日のまぼろしよ(安彦)
四句    ねんねこばんてん囲炉裏の火おこし(清實)
五句   父母は達者でおわす伊賀の国(貴代美)
六句    くノ一稼業あとさき見えず(莞爾)
七句   頼るべき標もなくて月の夜(安彦)
八句    ただ木犀の香りあやしく(善帆)
九句   七十三われの思いを誰や知る(修三)
十句    弥勒菩薩の春の指先(弦)
十一句  陸奥の惨禍を救え花吹雪(春雄)
挙句     八島の国にかすみたなびく(満里子)

句上 榊原雅晴(客・1) 井原弦(2) 奥田貞人(1) 今野和代(1) 小林善帆(2) 藤本真理子(1) 城貴代美(2) 木脇紀美子(1) 尾崎安彦(2) 今枝清實(1) 黒住莞爾(1) 高城修三(宗匠・1) 廣瀬春雄(世話人・1) 奥山満里子(執筆・1) 家村豊次 上羽利枝 岡部千代 奥村文男 岸本泰蔵 小堀由紀江 澤田治子 下石坂七重(世話人) 田中哲哉 田中由美子 飛田久子 友永和子 野村笑吾 廣青隴(朗詠) 府川浩 堀江博 前田正子 山田順子 山本昌子 持元江津子

これまでほとんど一般には知られていなかった京大清風荘を松本総長の御好意でお借りしての連歌会でした。国の重要文化財に指定されている清風荘は西園寺公望公より京大に寄贈されたもので、建物は明治の名大工八木甚兵衛、庭園は小川治兵衛によるもので明治を代表する名園である。今回はこの貴重な場をお借りしての連歌会ということもあり、ギャラリーも含めて34名もの連衆になる大連歌会となりました。半歌仙を詠み終えたあと、廣青隴氏の朗読をいただき、そのあと近くの居酒屋で竟宴となりました。

清風荘庭園で記念写真