平成十九年六月二日                                  戻る

半歌仙連歌「森出れば」の巻

   於 石村亭

発句  森出れば夢の浮橋夏の風(貞人)

脇    石村亭に白薔薇薫る(純子)

第三  ししおどし静かなる時悲しくて(修三)

四句   昨年の冬にぞ父は逝きけり(孝平)

五句  ひよどりが飛び立つ朝の西の月(安彦)

六句   薄流れて山頭火行く(純子)

初句  原っぱに子供らの声ボール追う(清實)

二句   あこがれの君見つめる少女(雅晴)

三句  こいさんと言われたころが懐かしく(貞人)

四句   電卓片手に熟年離婚(登志子)

五句  不幸せ背中合わせに幸せが(孝平)

六句   夢見て一人その冬を待つ(昌代)

七句  蜆蝶月に向かいて翔び立ちぬ(青隴)

八句   絵本抱きて眠る虫の夜(隆三)

九句  入園のテスト気になる我も親(笑吾)

十句   たんぽぽの絮ふうわりふわり(貴代美)

十一句 花の香に誘われ行けば高ひばり(青隴)

挙句   瘋癲老人遍路をめぐる(晴之)

句上

奥田貞人(客・2) 嶋岡純子(世話人・2) 池田孝平(2) 廣青隴(2)

高城修三(宗匠・1) 尾崎安彦(1) 今枝清實(1) 榊原雅晴(1)

高木登志子(1) 祐森昌代(1) 細尾隆三(1) 野村笑吾(1) 

城貴代美(1) 中條晴之(1) 池田良平 詫間タカエ 竹本俊平(執筆)

廣瀬春雄 松田弘子 武藤雪子(世話人) 村尾美恵 八木美知枝 

谷崎潤一郎が昭和二十四年から七年余り住んだ京都下鴨の石村亭にて、谷崎の執筆した書斎、茶室、「夢の浮橋」ゆかりの庭を、現所有者となっている日新電機の井上昌幸氏にご案内いただいたあと、半歌仙連歌を興行しました。また、谷崎源氏物語にちなんだ「橘」の香で「匂いの花」を行い、半歌仙を巻いたあと、庭園にて廣青隴氏の吟声をいただきました。

石村亭入口

                    会席

廣氏の吟詠

       会席者