深緑茶連歌会


平成二十六年五月二十八日                    もどる
半歌仙連歌「切り柄杓」の巻
 於 京都「澤正」


発句    切り柄杓白き腕や夏障子(建夫)
脇       歪みガラスに透ける若竹(由紀江)
第三    大臣は作戦会議にあきあきて(修三)
四句     ポケットの中携帯振動(山田順子)
五句    中天の月抱えたる大都会(貴代美)
六句     残業果てて秋の風ふく(清實)

初句    安給料苦きはらわた秋刀魚食う(哲哉)
二句      結婚諦め猫と同居す(直子)
三句    四十でも良き妻が来るためしあり(建夫)
四句      我も縋らん出雲八重垣(文男)
五句    夕暮れてあほうあほうと寒ガラス(純子)
六句      デモの終りは三々五々と(清實)
七句    月を浴びDJポリス指図する(建夫)
八句      素知らぬふりで行く犬と秋(真理子)
九句    福島の数値下がらずもう三年(凛)
十句      安達太良山に春めぐり来る(文男)
十一句  振袖の袂はみだす花の舞(真理子)
挙句     卒業式の鐘の音ひびく(満里子)

句上 村上建夫(客・3) 小堀由紀江(1) 高城修三(宗匠・1) 山田順子(1) 城貴代美(世話人・1) 今枝清實(2) 安田哲也(茶事・1) 奥村直子(1) 奥村文男(2) 嶋岡純子(1) 藤本真理子(2) 野田凛(1) 奥山満里子(執筆・1) 石井智子 石井順子 乾妙子 尾崎京子 上羽利枝 重田和子 杉本浩平 中川るみ子 西川京子 野村笑吾(世話人) はる風 前田正子 夢来灯行 村井雅子 

東山山麓の深緑の中、昭和の初めに貿易商が建てた別邸を利用した蕎麦会席「澤正」にて、橋本社中の安田哲哉氏による茶事のあと、蕎麦会席をいただきながらの連歌会となりました。発句は村上建夫氏が御点前の情景を初夏の爽やかさの中に詠ってくださいました。