後藤芝山先生奉賛連歌会                          戻る



平成三十一年四月二十一日
半歌仙連歌「春うらら」の巻
 於 中野天満宮


発句   春うらら万葉集をひもときぬ(文雄)
脇      芝山例祭平成令和(伸雄)
第三   おぼろ月碩学さわに集いきて(修三)
四句     静の海の石ながめたり(剛)
五句   大阪の万博すでに半世紀(泰三)
六句     公認バクチ夢のまにまに(敏範)

初句   宿六の知らないうちの薄化粧(隆雄)
二句     恋文を見て鬢かきあげる(勝弘)
三句   雪の宵京都島原三味の音(宣行)
四句     屋根を伝いて逃げる黒猫(達代)
五句   アベマリア炎の中で歌いたり(紹二)
六句     パリの真ん中セーヌは流る(泰三)
七句   オイスター食えば水面に玉兎かな(剛)
八句     志度寺の浦に西日さす秋(伸雄)
九句   やや寒の松の林に五輪塔(修三)
十句     平賀源内七歳の朝(智英美)
十一句  前髪の小さき額に花吹雪(真理子)
挙句     遍路道行く足はかろやか(朝子)

句上 川北文雄(客・1) 後藤伸雄(亭主・2) 高城修三(宗匠・2) 大田剛(2) 田山泰三(2) 山崎敏範(1) 柏木隆雄(1) 植苗勝弘(1)
矢野宣行(1) 多田達代(1) 由佐紹二(1) 廣瀬智英美(1) 赤股真理子(1) 後藤朝子(執筆・1) 池田弘子 大西旻 小田雅則 後藤君代 後藤真一郎(世話人)




平成三十年四月十五日
半歌仙連歌「節句待つ」の巻
 於 中野天満宮


発句   節句待つ讃岐平野や幟立つ(洋)
脇      霞の中に玉藻の天守(伸雄)
第三   水戸侍我も我もと名乗り出て(修三)
四句     尊皇攘夷は命なりけり(泰三)
五句   吟じつつふと見上ぐれば望の月(洋子)
六句     鞭声粛々秋川わたる(宣行)

初句    口ぬぐう伊丹の酒の荒ばしり(隆雄)
二句    宿の離れで恨みをちくり(順子)
三句   恋文の途絶えたときを思い出し(君代)
四句    カード繰る手のなどかうとまし(隆雄)
五句   半窓に音うばわれて銀世界(洋子)
六句    鳥海山麓猫と暮らして(司枝)
七句   殿様は一万石と夏の月(修三)
八句    涼しき風の吹きぬけてゆく(孝平)
九句   さあどうぞここらでお茶を召上れ(泰三)
十句    接待うけて遍路道行く(茂昭)
十一句  花吹雪今日も昨日も花吹雪(順子)
挙句    春の盛りは言うこともなし(朝子)

句上 岡崎洋(客・1) 後藤伸雄(亭主・1) 高城修三(宗匠・2) 田山泰三(2) 石川洋子(2) 矢野宣行(1) 柏木隆雄(2) 山田順子(2) 後藤君代(1) 高橋司枝(1) 池田孝平(世話人・1) 清水茂昭(1) 後藤朝子(執筆・1) 石岡久子 多田達代 山崎敏範 由佐紹二 後藤真一郎(世話人) 




平成二十九年四月十六日
半歌仙連歌「やわらかに」の巻
 於 中野天満宮

初折表
発句   やわらかに楷も芽吹くや講道館(剛)
脇      春風にのり論語訓読(伸雄)
第三   縁側でやおら子猫があくびして(修三)
四句     くしゃみ先生小説を書く(泰三)
五句   満月がもう寝なさいと言っている(美紀子)
六句     若夫婦には絶好の秋(敏範)
初折裏
初句   そぞろ寒肩を抱き寄せ親の留守(紹二)
二句     夢に描いたファーストキッス(朝子)
三句   初孫の白き額の美しき(隆雄)
四句     朱に筆ぬらし大の字を書く(剛)
五句   風寒き中京あたりの朝ぼらけ(修三)
六句     号外売りに耳を峙つ(隆雄)
七句   正男の暗殺の報月仰ぐ(君代)
八句     秋なき国の国際空港(修三)
九句   フランス語マレー語英語中国語(朝子)
十句     言葉いろいろ富士山の春(洋子)
十一句  青き空うめるがごとく花吹雪(信二)
挙句     千鳥歩きで堀端を行く(伸雄)

句上 太田剛(客・2) 後藤伸雄(亭主・2) 田山泰三(1) 高城修三(宗匠・3) 山寺美紀子(1) 山崎敏範(1) 由佐紹二(1) 後藤朝子(執筆・2) 柏木隆雄(2) 後藤君代(1) 石川洋子(1) 仲西信二(1) 赤股真理子 小野博 多田達代 和田浩 後藤真一郎(世話人) 池田孝平(世話人)


平成二十八年四月十七日
半歌仙連歌「薄明や」の巻
 於 中野天満宮

初折表
発句   薄明や文読む窓に花吹雪(剛)
脇      春爛漫の芝山の浦(伸雄)
第三   瀬戸内の海はのたりとかすみいて(修三)
四句     草間彌生のモニュメント立つ(泰三)
五句   孫の手が指さす先はお月さま(敏範)
六句     大草原にすだく虫の音(洋子)
初折裏
初句   ふるさとの雁の使いを待ちわびて(佳弘)
二句     取り出して見る赤きお守り(浩)
三句   中東で働く君を想いつつ(洋子)
四句     ちょい悪男に心惹かれる(修三)
五句   お誘いは銀座三越次郎寿司(伸雄)
六句     連歌会への参加あきらめ(友利)
七句   後悔の懐さびし冬の月(佳弘)
八句     枯葉を追いてたどる路地裏(浩)
九句   どこからかシャンソン聞こゆ昼下り(朝子)
十句     業平町は川向うなり(修三)
十一句  あでやかに川面に映る糸桜(君代)
挙句     遠く連ぬる山も笑いぬ(佳弘)

句上  太田剛(客・1) 後藤伸雄(亭主・2) 高城修三(宗匠・3) 田山泰三(1) 山崎敏範(1) 石川洋子(2) 豊澤佳弘(3) 和田浩(2) 岡市友利(1) 後藤朝子(執筆・1) 後藤君代(1) 赤松幸子 赤股真理子 澤田茂樹 清水茂昭 高嶋睦徳 多田達代 橋本昭夫 矢羽野隆男 横井昭徳 後藤真一郎(世話人) 池田孝平(世話人)


平成二十七年四月十九日
半歌仙連歌「両陛下」の巻
 於 中野天満宮

初折表
発句   両陛下魂しずめんと春発ちぬ(洋子)
脇      眼下にかすむ大秋津島(伸雄)
第三   浜荻も浪速の葦も芽吹くらん(修三)
四句     混沌のなか酒に詩をよむ(剛)
五句   見上ぐればのっぺらぼうの月のぼり(隆男)
六句     仙石原にすだく虫の音(孝平)
初折裏
初句   わが姫よわが姫よとぞ呼ばいける(浩)
二句     変幻自在にうらみ音羽屋(糸枝)
三句   金毘羅の石段よけて夏芝居(泰三)
四句     森の石松男でござる(司枝)
五句   思いきりドス突き立てる富士の山(修三)
六句     知らぬふりして大鷲の舞う(紹二)
七句   その夜は月の砂漠にイスラム旗(伸雄)
八句     夢かうつつか幻の国(清数)
九句   いつの日か迷うてみたし桃源郷(敏範)
十句     胡蝶に向けてあくびする犬(浩)
十一句  屋島山果てることなく花の宴(友利)
挙句     人は人なれ春は春なれ(朝子)

句上 石川洋子(客・1) 後藤伸雄(亭主・2) 高城修三(宗匠・2) 太田剛(1) 屋羽野隆男(1) 池田孝平(世話人・1) 和田浩(2) 関口糸枝(1) 田山泰三(1) 高橋司枝(1) 由佐紹二(1) 河田清数(1) 山崎敏範(1) 岡市友利(1) 後藤朝子(執筆・1) 後藤真一郎(世話人) 赤股真理子 高嶋睦徳 後藤君代


平成二十六年四月二十日
半歌仙連歌「いにしえを」の巻
 於 中野天満宮

初折表
発句   いにしえを偲びて春の祭かな(佳弘)
脇      講道館にもえる若芝(伸雄)
第三   猛者たちの乱取稽古のどかにて(修三)
四句     ドラッガー読む女子マネージャー(佳弘)
五句   エクステの長き睫毛に月照らす(糸枝)
六句     仮装行列やや寒の中(敏範)
初折裏
初句   朝敵に菊一輪を捧げたり(修三)
二句     ばさら男にひそやかな愛(和田浩)
三句   ならぬ恋祇園太鼓の音激し(伸雄)
四句     ただ茫々と海のひろがる(修三)
五句   珍島沖親打ちのめす偽メール(佳弘)
六句     振り込め詐欺の手口さまざま(伸雄)
七句   何故の心さわぎや月隠る(和田浩)
八句     湖畔の秋の紫式部(友利)
九句   床の間に一枝手折りて夜長かな(剛)
十句     それにつけても友の欲しさよ(和田浩)
十一句  思い立ちかぶる菅笠花吹雪(府川浩)
挙句     瀬戸の島々かすみたなびく(朝子)

句上 豊澤佳弘(客・3) 後藤伸雄(亭主・3) 高城修三(宗匠・3) 関口糸枝(1) 山崎敏範(1) 和田浩(3) 岡市友利(1) 太田剛(1) 府川浩(1) 後藤朝子(執筆・1) 田山泰三 赤股真理子 矢野宣行 伊川文子 高橋司枝 高嶋弘 後藤君代 池田孝平(世話人) 後藤真一郎(世話人)


平成二十五年四月二十一日
半歌仙連歌「よき春や」の巻
 於 中野天満宮

初折表
発句    よき春や賢人集い芝山祭(孝平)
脇       穀雨降りたる泊園の国(實)
第三    藤かおる順風満帆漕ぎ出して(剛)
四句      補陀落渡海行方知らずも(修三)
五句    皓皓と太平洋に後の月(伸雄)
六句      ハワイアン舞う娘らの腰(剛)
初折裏
初句    手のひらに好きだと書いた古稀の恋(浩)
二句      文を忘れて祇園新橋(修三)
三句    バラの湯につかりし舞妓匂い立つ(糸枝)
四句      偸安ならじと般若心経(浩)
五句    お互いにまだらに呆けて冬の朝(久子)
六句      あしたの話はきのうの話(修三)
七句    月の下古城よ一人何思う(孝平)
八句      たださわさわとコスモスはゆれ(朝子)
九句    見上ぐれば一直線に飛行雲(敏範)
十句      急を告げたり尖閣諸島(伸雄)
十一句   花ちらす風また過客人もまた(茂樹)
挙句      かすみの中にアート求めて(友利)

句上 池田孝平(客・2) 薮田實(1) 太田剛(2) 高城修三(宗匠・3) 後藤伸雄(亭主・2) 府川浩(2) 関口糸枝(1) 飛田久子(1) 後藤朝子(執筆・1) 山崎敏範(1) 澤田茂樹(1) 岡市友利(1) 上原英毅 田山泰三 多田達代 赤股真理子 後藤君代 後藤真一郎(世話人)


平成二十四年四月二十二日満尾
歌仙連歌「原子の火」の巻
   於 中野天満宮

初折表
発句    原子の火鎮めて春を芝山祭(友利)
脇        講道館に楷の木芽吹く(真一郎)
第三    裏門をもんしろちょうの通り抜け(洋)
四句      目で追いかけるうたたねの猫(君代)
五句    飛行機雲一直線に昼の月(英毅)
六句      池田孝平秋に大の字(修三)
初折裏
初句    こおろぎのすだく音聞きて妻想う(剛)
二句      浮気もせずに六十余年(友利)
三句    定刻に駅まで歩く冬の道(朝子)
四句      カント哲学完成間近(洋)
五句    乾杯はドイツビールとジャガイモで(伸雄)
六句      残業終えたアラフォー集まり(糸枝)
七句    いつの間にあらあら月も傾けり(孝平)
八句      古事記ひろげて鈴の屋の秋(修三)
九句    松阪の一夜がつくる国の本(すみ)
十句      ふと目ざむれば沛然と雨(洋子)
十一句  乙女らの傘連なりて花の坂(泰三)
十二句    入学の朝声はずみたり(朝子)
名残表
初句    ロンドンへ祈りを込めて春メール(雄一郎)
二句      ダイアナの悲恋今はるかなる(弘子)
三句    老妻を遅咲きのバラと見つめおり(友利)
四句      失われゆくいのちはかなし(達代)
五句    朱に染めだるま夕陽の室戸岬(孝平)
六句      親子遍路の道を急いで(洋)
七句    一面に黄水仙の咲き乱れ(敏範)
八句      ひばりの声は空にひびけり(泰三)
九句    港町十三番地悲しくて(糸枝)
十句      夜霧にむせぶ映画の世界(君代)
十一句  月無き夜親分子分の縁を切り(修三)
十二句    ただ心臓の鼓動の高し(糸枝)
名残裏
初句    オクラホマミキサー流れ君を待つ(剛)
二句      ガンマンとても惚れることあり(洋)
三句    サボテンの荒野におこるつむじ風(修三)
四句      ワンダラーワンダラーと汲み取るオイル(茂樹)
五句    F1を花の都で開きけり(洋子)
挙句      夢追い人の笑顔うららか(朝子)

句上  岡市友利(客・3) 後藤真一郎(世話人・1) 岡崎洋(4) 後藤君代(2) 上原英毅(1) 高城修三(宗匠・4) 太田剛(2) 後藤朝子(執筆・3) 後藤伸雄(主宰・1) 関口糸枝(3) 池田孝平(世話人・2) 福原すみ(1) 石川洋子(1) 田山泰三(2) 玉置雄一郎(1) 池田弘子(1) 多田達代(1) 山崎敏範(1) 澤田茂樹(1) 石川洋子(1) 赤松幸子 矢野宣行 太田純 

今回の後藤芝山先生奉賛連歌会は、前回に巻いた「原子の火」の巻の名残折を完成し、中野天満宮に奉納いたしました。歌仙懐紙の浄書は書家の太田剛氏にお願いいたしました。


平成二十三年四月十七日
半歌仙連歌「原子の火」の巻
   於 中野天満宮


発句    原子の火鎮めて春を芝山祭(友利)

脇        講道館に楷の木芽吹く(真一郎)

第三    裏門をもんしろちょうの通り抜け(洋)

四句      目で追いかけるうたたねの猫(君代)

五句    飛行機雲一直線に昼の月(英毅)

六句      池田孝平秋に大の字(修三)


初句    こおろぎのすだく音聞きて妻想う(剛)

二句      浮気もせずに六十余年(友利)

三句    定刻に駅まで歩く冬の道(朝子)

四句      カント哲学完成間近(洋)

五句    乾杯はドイツビールとジャガイモで(伸雄)

六句      残業終えたアラフォー集まり(糸枝)

七句    いつの間にあらあら月も傾けり(孝平)

八句      古事記ひろげて鈴の屋の秋(修三)

九句    松阪の一夜がつくる国の本(すみ)

十句      ふと目ざむれば沛然と雨(洋子)

十一句  乙女らの傘連なりて花の坂(泰三)

挙句      入学の朝声はずみたり(朝子)

句上  岡市友利(客・2) 後藤真一郎(世話人・1) 岡崎洋(2) 後藤君代(1) 上原英毅(1) 高城修三(宗匠・2) 太田剛(1) 
     後藤朝子(執筆・2) 後藤伸雄(主宰・1) 関口糸枝(1) 池田孝平(世話人・1) 福原すみ(1) 石川洋子(1) 田山泰三(1)
     

平成二十二年四月十八日
半歌仙連歌「永き日や」の巻
    於 中野天満宮

 表
 発句   永き日や後藤芝山の生あくび(秀人)

 脇      講道館も春の爛漫(伸雄)

 第三   庭先で猫と蝶とがじゃれあって(修三)

 四句     子供のいないリビングルーム(みどり)

 五句   月映えて旅の明日もいい天気(君代)

 六句     蓑を枕に虫の音のする(洋)

 裏
 初句   円空の羅漢に秋の風が吹き(万貴子)

 二句     やせ細りたる手足をさする(友利)

 三句   年の差の恋も楽しや蚊帳の中(万)

 四句     お半長右衛門鹿子がゆれる(君代)

 五句   舟唄も流れる秋の桂川(洋)

 六句     ぬるめの燗でもみじ眺めて(剛)

 七句   智積院襖絵照らす月を入れ(万)

 八句     読みふけっている枕草子(友利)

 九句   気がつけば空はあけぼの忘れ星(洋子)

 十句     シベリアめざし帰りゆく雁(孝平)

 十一句 高遠の江島屋敷に花吹雪(洋)

 挙句    春城一夜吹笛を聴く(後藤芝山)

句上  大西秀人(客・1) 後藤伸雄(亭主・1) 高城修三(宗匠・1) 栗生みどり(1) 後藤君代(2) 岡崎洋(3) 岡本万貴子(3) 岡市友利(2) 大田剛(1) 石川洋子(1) 池田孝平(世話人・1) 後藤芝山(1)  後藤朝子(執筆) 真鍋有紀子 後藤真一郎(世話人)

今回の後藤芝山先生奉賛連歌会は、大西秀人高松市長に発句をいただき、挙句に後藤芝山先生の七言絶句「江南春懐」より一句をいただきました。


平成二十一年四月十九日
半歌仙連歌「行く春や」の巻
    於 中野天満宮

 表
 発句   行く春や海やわらかに皆の顔(伸雄)

 脇       霞の向こうに芝山栗山(修三)

 第三   山水画一千年もの時をへて(孝平)

 四句     月皓々と湖面を照らす(君代)

 五句   飛ぶ雁も時も止まれと叫ぶ声(修三)

 六句     野分に立ちて愛の告白(糸枝)

 裏
 初句   黒髪をまとわりつかせベニ赤し(修三)

 二句     起請文書く高尾太夫よ(洋)

 三句   七之助恋の道行金丸座(伸雄)

 四句     象頭の山の夏の夕暮(克幸)

 五句   浴衣着て乳母車押すモヒカン刈り(朝子)

 六句     ロックに乗せて人生の歌(洋)

 七句   飲みすぎしマンチェスターの朝の月(朝子)

 八句     煉瓦広場に黄葉の舞う(糸枝)

 九句   ふと思う旅路の秋の共白髪(伸雄)

 十句     窓辺に置いた古きアルバム(敏範)

 十一句  高遠の昔をしのぶ花吹雪(木村修三)

 挙句     夢を求めつ春をたのしむ(隆)

句上
岡崎洋(客・2) 後藤伸雄(亭主・3) 高城修三(宗匠・3) 池田孝平(世話人・1) 後藤君代(1) 関口糸枝(2) 喜多克幸(1) 後藤朝子(2) 山崎敏範(1) 木村修三(1) 佐藤隆(1) 妹尾共子 高木亘 野田宏之 三島惠子 南繁文


 

平成二十年四月二十日
半歌仙連歌「源内が」の巻
    於 中野天満宮


 表
 発句   源内が追いかけ旅する江戸の春(伸雄)           
 脇      ぬかるむ道にわき目もふらず(みどり)
 第三   五十キロオリンピックに夢かけて(修三)
 四句     シューズ買うとて貯金引き出す(しな子)
 五句   軒先にのぞき見るよな望の月(修三)
 六句     さみしさ誘う鈴虫の声(みゆき)
 裏
 初句   子を待ちて時計ながむる夜の膳(幸子)
 二句     煙たがられるシングルマザー(孝平)
 三句   おっかけで今年も集う金比羅芝居(伸雄)
 四句     のぼりはためき蝶々は浮かれ(英毅)
 五句   潮満つる堀の水面に花筏(修三)
 六句     朝日に映える玉藻の天守(二郎)
 七句   今は昔秋陣営の月の色(友利)
 八句     長い夜には君思い出す(みどり)
 九句   白い指なつめの柄は吾亦紅(君代)
 十句     錦織りなす里の夕暮れ(伸雄)
 十一句  春一番桜吹雪と舞い踊る(糸枝)
 挙句     鳴門の渦に舟の行き交う(友利)

 句上
 後藤伸雄(亭主・3) 栗生みどり(2) 高城修三(宗匠・3) 藤原しな
 子(1) 土方みゆき(執筆・1) 赤松幸子(1) 池田孝平(世話人・1)
 上原英毅(1) 平井二郎(1) 岡市友利(2) 後藤君代(1) 関口糸
 枝(1) 岩国静子 大橋光政 大西晃 澤田茂樹 佃昌道 南繁文 
 山崎千津子 後藤真一郎(世話人)
      

芝山祭に参加された多くの方々の御列席ををいただき、江戸の昌平黌
にいる後藤芝山先生のもとに急ぐ源内を詠んだ伸雄氏(後藤芝山先生
の御子孫)の発句に始まり、岡市先生の雄大な挙句にて無事満尾しま
した。

平成十九年四月二十二日   

半歌仙連歌「燕飛ぶ」の巻

於 中野天満宮

 表

 発句  燕飛ぶいにしえ偲び芝山祭(伸)

 脇    春雨分けて詠み人集う(み)

 第三  芽吹く道赤白青の傘さして(君)

 四句   疲れた顔のフランス娘(旻)

 五句  パティシエの世界大会敗れたり(糸)

 六句   ただ皓々と月の輝く(修)

 裏

 初句  長い夜BGMは虫の声(み)

 二句   ベンチの二人肩寄せ合って(英)

 三句  火の中に跳びこむ恋になりますか(糸)

 四句   切れ長の目に赤き唇(修)

 五句  風そよぐ夏の浜辺をさっそうと(伸)

 六句   黄色南瓜のオブジェ輝く(君)

 七句  街頭のウィンドーディスプレーに昼の月(糸)

 八句   明日はバーバリーのコートを着よう(み)

 九句  たのしみは銀座赤坂六本木(伸)

 十句   ネオンにつられ今宵もそぞろ(干)

 十一句 ほろよいの足下に散る花一つ(ゆ)

 挙句   春のうららの堀端を行く(伸)

 句上

 後藤伸雄(亭主・4) 関口糸枝(3) 栗生みどり(3)

 高城修三(宗匠・2) 後藤君代(2) 大西旻(1) 

 上原英毅(1) 安部干城(1) 吉村ゆきぞの(1)

 山崎千津子 池田弘子 山崎敏範 黒川清博 吉田陽彦

 後藤真一郎(世話人)

高松藩校初代総裁で漢文の後藤点の創始者としても知られる後藤芝山先生を顕彰

する芝山祭が催された中野天満宮にて、「後藤芝山先生奉賛連歌」を興行しました。

初めての参加者もも多かったのですが、たのしい連歌となりました。



平成十七年四月十七日
半歌仙連歌「一期一会」の巻
  於  中野天満宮


  表
  発句   今年また一期一会の桜かな(修)
  脇        春日たゆとう鴻儒の土地(炬)
  第三   煙草吸う浪人生が集まりて(孝)
  四句      どんどこどんどこ狸の踊り(友)
  五句   飲み過ぎて千鳥で歩く月明かり(浩)
  六句      すすきが招く川べりの道(恵)
  裏
  初句   青空に飛行機雲の延びて行く(雅)
  二句      放り投げたし真っ赤なベレー(友)
  三句   孫たちにちやほやされて金を出し(倶)   
  四句      しばらく我慢老いらくの恋(俊)
  五句   桃色のカーネーションを秘め言に(辰)
  六句      明日は会おうと心に決めた(倶)
  七句   おぼろなる月は山の端君の里(辰)
  八句      二声ばかり雉の鳴き声(修)
  九句   山つつじ仲間と共にゴルフ場(将)
  十句      たのしくもありくやしくもあり(孝)
  十一句  遠い日の花札勝負思い出し(修)
  挙句      酒をくみつつ肩たたきあう(俊)

  句上
  高城修三(3・宗匠) 池田孝平(2・世話人) 岡市友利(2) 
  香西俊紀(2) 黒木倶子(2) 植松辰美(2) 黒木矩雄(1)
  府川浩(1) 三島恵子(1) 小田雅則(1) 高尾将臣(1)
  山崎千津子 後藤伸雄(亭主) 玉木水象 岩国静子
  伊川文子 山崎敏範  塚本修  後藤君代  横矢猛
  赤股真理子 大西あきら