保田與重郎先生追善連歌会      もどる


平成二十九年九月十日
半歌仙連歌「落鮎の」の巻
  於 保田邸

発句    落鮎のただよう淵や木槿散る(千尋)
脇       公職追放是非もなき秋(修三)
第三    緋の文字をつらねし橋を月に掛け(真理子)
四句      うつつの夢で健次に逢った(こん)
五句    山尾さん宴のあとに針むしろ(幸雄)
六句      禍福あざなう人生半ば(清實)
七句    初雪に手酌かたむけ独り酒(保)
八句      いつまで待てど携帯ならず(和子)
九句    三階の明かり確かめメール打つ(建夫)
十句     テロ決行は午後六時なり(こん)
十一句  今生の別れの鐘はあと一つ(修三)
十二句    曽根崎心中大当たりにて(貴代美)
十三句  なんとまあ難波の空に望の月(修三)
十四句   坂田三吉やや寒の駒(るみ子)
十五句  悲しげに女房小春は立ち去りぬ(修三)
十六句   大欠伸して後ろ向く猫(貴代美)
十七句    あでやかに夕日を浴びる花吹雪(文男)
挙句   佐野のわたりの春の暮れ方(繁治)

句上 長岡千尋(客・1) 高城修三(宗匠・4) 藤本真理子(1) 今野和代(2) 鈴木幸雄(1)  今枝清實(世話人・1) 河内保(1) 友永和子(1) 村上建夫(1) 城貴代美(執筆・2) 中川るみ子(1) 奥村文男(1) 杉田繁治(1) ベランギ陽子 保田節 石井智子(世話人) 森幸一

桜井市に残る保田與重郎邸で保田先生の書が飾られた奥座敷にて先生をしのぶ追善連歌を催しました。会には談山神社宮司の長岡様を客にお迎えし、保田先生の弟様の奥様であられる節様も御列席いただきました。yasuda